親知らず抜歯のよくある質問
よくある質問
Q1. 親知らずが急に痛くなりました。抜歯した方が良いですか?
親知らずの成長過程で周囲の歯肉を刺激して痛みが生じることがあります。この場合は必ずしも抜く必要はなく、適切に管理すれば奥歯の機能を果たすことができます。逆に、痛みが治まったからといって、大丈夫だろうと放置すると、後に親知らずだけでなく隣の歯まで抜かなければならない状態に悪化する可能性もあるため、必ず専門知識を持つ歯科医に相談してください。
Q2. 親知らずの痛みの原因はなんですか?
親知らずは歯ブラシが届きにくく、日常的に食べ物が詰まりやすいです。そのため、周囲の歯ぐきや組織に細菌が侵入して炎症を起こして、歯ぐきが腫れて痛くなることがあります。また、親知らずは虫歯ができやすいため、虫歯が原因で痛みが出ることもよくあります。
Q3. 親知らずが歯ぐきに埋まっているのですが問題ないですか?
歯ぐきに埋伏している親知らずは衛生管理が難しいため細菌感染に弱く、虫歯や歯周炎などの合併症がよく生じます。また、周囲の歯にも影響を及ぼす可能性があります。詳細は以下の通りです:
- 虫歯や歯周疾患の発生により、隣接する歯や歯ぐきまで悪くする可能性がある
- 親知らずが横向きに生えている場合、前方の奥歯の根にも悪影響を及ぼす可能性がある
- 親知らずの炎症がより深刻になると、細菌が親知らずの内側まで侵入し、歯根骨髄炎を引き起こす可能性がある
- まれに、嚢胞や腫瘍の原因となることがある
これらの理由から、埋伏している親知らずは歯や口腔に良くない影響を与える可能性があるため、歯科医との相談と適切な処置が必要です。
Q4. 親知らずを抜歯すると腫れは何日くらい続きますか?
親知らずを抜歯した後の48時間ほどは腫れが出やすいですが、これは正常な治癒過程です。その後、個人差はありますが一般的に7日間ほどで腫れが引き、回復する方が多いです。ただ親知らずの位置、埋伏の具合、切開範囲、炎症の有無、抜歯時の出血量などによっても期間は異なります。
ご予約される際には腫れの期間も考慮してご来院いただくことをおすすめします。
Q5. 親知らずは何歳頃に生えてきますか?いつ頃抜歯するのがいいですか?
個人差はありますが、親知らずは一般的に17歳から25歳の間に生える傾向があります。抜歯の時期ですが、24歳未満での抜歯が推奨されています。なぜなら、年齢が上がるにつれて歯と顎の骨が強く結合する傾向があるため、抜歯の難易度が上がるからです。
Q6. 親知らずは抜いた方がいいですか?
親知らずがあるからといって、必ずしも抜かなければならないわけではありません。親知らずを抜かなくてもよい場合というのは、「普通の歯のようにまっすぐに生えており、歯磨きの際にきれいに磨ける、食事の際にもよく噛める」ときです。それでは、どのような場合に親知らずを抜く必要があるのでしょうか?
- 親知らずがまっすぐに出ずに斜めに生えている場合
- 親知らず周囲の歯肉が腫れて痛む場合
- 親知らずとその前の歯の間に食べ物がよく詰まる場合
- 親知らずに虫歯ができて治療が難しい場合
- 親知らずの前の歯を治療する必要があるが、親知らずのせいで正常な治療が難しい場合
- 矯正治療の際、親知らずが歯の移動を邪魔している場合
- レントゲン所見上、親知らず周囲に疑わしい腫瘍が見られる場合
Q7. 親知らずの治療期間はどれくらいですか?
歯ぐきの切開や縫合を必要としない単純抜歯の場合は、抜歯当日と翌日の消毒で全ての治療が終了します。埋伏歯のように困難な抜歯の場合は後日縫合糸を取り除くために追加で受診していただく場合があります。通常、抜歯後1週間は絶対的に注意が必要な期間ですが、念のため2週間程度は注意してください。
また親知らず抜歯後の治癒期間は、歯肉と骨で異なります。抜歯後の縫合糸は1〜2週間後に取り外されますが、縫合糸を取り外したからといって完全に治ったのではありません。通常1ヶ月程度経過すると歯肉が完全に治癒します。歯肉内の骨の治癒には約6ヶ月かかります。抜歯した直後にレントゲンを撮影すると、親知らずが生えていた部分が空いているのが見受けられます。この空白部分に新しい骨が成長するまでに、約6ヶ月かかるのです。
Q8. 親知らず抜歯後に痛みはありますか?
抜歯後の痛みは、抜歯の難易度によって異なりますが、困難なものであるほど、痛みや腫れ、あざなどが強く出る可能性があります。その際は痛み止めの薬をお出ししますのでご安心ください。痛みに応じての服用をお願いしています。
Q9. 親知らず抜歯後に注意することはありますか?
親知らずを抜歯した後は、禁煙、禁酒、そして激しい運動を避ける必要があります。特に飲酒や喫煙をすると治癒が遅くなる可能性がありますので、注意事項を必ず守っていただく必要があります。
Q10. 親知らずを抜歯するのにどれくらい費用がかかりますか?
親知らず抜歯は保険診療です。最も一般的な3割負担の方が初診でいらっしゃった場合を例えにすると、上顎の真っ直ぐに生えている親知らずの単純抜歯だと、レントゲン撮影と抜歯で4000円〜5000円ほどです。また、親知らずが横向きに生えている場合や埋伏している場合は、12000円〜15000円ほど必要です。(2024年3月基準)
Q11. 親知らずを抜歯すると小顔になりますか?
親知らずを抜歯すると小顔になるとの話は、一種の目の錯覚です。親知らずの手術を受けた後、長くても1週間ほど親知らずを抜いた箇所が腫れているので、腫れが引くと顔が小さくなったように見えるのではないでしょうか。また、抜歯直後は食事を十分に噛むことが難しいこともあり、自然と食欲が減退して顔が引き締まったように見えることがあります。
Q12. 親知らずをまとめて抜歯することはできますか?
通常、上下それぞれ4本の親知らずが生えている方が多いのですが、痛みが出たら一度に全部抜きたいと考える方もいらっしゃいます。しかし一般的には、左右それぞれを分けて抜歯することをお勧めします。その理由は、親知らずを一度に全部抜いてしまうと食事し辛くなることもあり、また抜歯時の麻酔においても両側の麻酔はやや困難な場合があります。特に下顎の両側の奥歯を同時に抜歯することはお勧めしません。
Q13. 親知らずと歯並びは関係がありますか?
大人になってから歯並びが乱れるのは親知らずのせいだと誤解される方がいらっしゃいますが、それは違います。人の歯はどの歯でも前方に移動しようとするのが自然なことです。その原因は、歯肉の老化や歯周疾患の影響が大きいです。